鬼嫁に応戦する、スーパープレー集「ハイブリッド思考転換術」

鬼嫁に応戦する、スーパープレー集「ハイブリッド思考転換術」

偉大なるアディー・ダスラー。

アディレッタ。
大学時代から愛用している。
その時代、サッカーをしているやつらはみんな履きたがったシャワーサンダル。
サッカーできるやつの証だ。

今でもABCマートとかでも黒とか白とかのアディレッタを見かけるが、
当時のお決まりと言えば、濃いブルーに足の甲の部分にはホワイト三本ラインが定番。
このアディレッタ、普通のサンダルとは履き心地が全然違い、
足の裏のフィット感、重厚感がいい。

二十年以上(!)も経つが、この時のアディレッタをいまだに履いている。

鬼嫁も履く。サンダルは兼用だ。鬼嫁にも履き心地が良いのだろう。
どうだ、おれのアディレッタ。

昨日、郵便ポストを見てこいと鬼嫁に言われ、
しぶしぶアディレッタを履いてマンション(賃貸)下のポストに向かって歩いていると、
アディレッタの左足の甲の内側が、ペロッととれた…。

けんけんで玄関に戻り、よくよく見ると、
そこだけでなく他の3ヶ所の接着部分も同じようにとれかかっている…。
瀕死の状態だ。アポロ13だ。気付かなかった…。

鬼嫁を呼んで、「もう寿命やな、新しいのを…」と言いかけた言葉を遮り、

「直せ」

と言われた。
ガムテープもしくはビニールテープをグルグル巻きにする?!
いやいや、どうせすぐ剥がれるのは目に見えている。
アロンアルファでひっつける?!
いやいや、どうせすぐ剥がれるのは目に見えている。

鬼嫁に、「いや、無理やろ…」と言うと、鬼嫁は

「考えろ」

と言う。

すぐ、安易に、お金をかけることに目を向ける発言すると機嫌が悪くなる鬼嫁だ。

おれは考える。

縫うか?!
いやいや、縫いようがない。だって、
おれのアディレッタは、最近の量産型のネオ・アディレッタではなく
発売当初の重厚感のある頑丈なアディレッタだ。糸なんかで縫えるわけない。

考えろ、おれ。

そうか。

おれは玄関の工具箱を開ける。ネジとドライバー。

左右の甲のパーツの土台(?)との接着部分に
試しにネジ先を向け、ドライバーを回してみると
密度の高いゴムなんだろう、面白いようにしっかりと食い込んでいく。
これは、外れない。

いける。

おれは左右計4ヶ所の、三本ラインの合間のブルーの部分に
寸分たがいなく、等間隔に、小さくて丸っこい同じネジ頭のネジをねじ込んでいく。

ゴムに金属。がっちりハイブリッドだ。
むしろ、今まで以上に頑丈なくらいに。

偉大なる、アディー・ダスラー。

でも、鬼嫁は褒めない。女は総体的に減点法の思考だ。わかってる。
会社員40代♂の日々の戦いブログ。